サブスクリプションとは、定額料金を支払うことで利用できるコンテンツやサービスのことです。
サブスクリプションのサービスは私たちの生活を非常に便利なものにしてくれます。
定額制で安価なものが多く、生活が豊かになり、いつでも登録・解約のできる手軽さも魅力です。
しかし終活においては、サブスクリプションに関するトラブルが多く発生しています。
2022年の春には、契約者が亡くなった後もNHKの受信料が引き落とされていたという事例が話題になりました。
そこでこの記事ではサブスクリプション(以下サブスク)の終活について、くわしく解説します。
遺族の負担を増やさないために、サブスク契約をされている方はぜひ参考にしてください。
本人以外の手続きは大変!遺族が苦悩するサブスク問題

終活では、不要となるサービス(サブスク)や使わないクレジットカードの解約なども重要なミッションです。
解約を行っていなかったために、遺族が煩雑な手続きで苦悩してしまうケースをご紹介します。
サブスクの解約・退会
サブスクの解約・退会手続きはネット上で簡単に行うことができるものが多いです。
いつでも登録・解約できることがサブスクのメリットではありますが、それは本人が行った場合の話です。
サブスクの解約・退会が問題になるのは、サービスの提供側が契約者の死亡を知るすべがないからだといわれています。
契約者側からの届け出がなければ、サービスは継続して提供されてしまいます。
前述したNHKの受信料だけではなく、生前利用していたサービスが多ければ多いほど解約・退会の手続きは煩雑です。
どんなサービスを利用していたのか、支払い方法は何を指定しているのかなどを遺族がわからなければ、利用料の請求がいつまでも発生するトラブルにつながります。
クレジットカードの解約
クレジットカードは、名義人が亡くなっても請求はストップしません。
銀行口座が凍結され、引き落としができない状態になると未払いの扱いとなり、債務としてみなされます。
クレジットカードの債務は相続人に返済義務が発生し、家族が解約の手続きを行ったとしても、残債の一括請求が行われることがほとんどです。
クレジットカードの解約を遺族が行う場合は、解約申請書・家族関係を証明する書類・死亡診断書などを準備する必要があります。
本人が解約する場合よりも手続きが煩雑になるので、あらかじめ不要なクレジットカードは解約の手続きを済ませておく方が安心です。
複数のクレジットカードを所有している方は、終活の一環として整理をおすすめします。
家族の知らない引き落としなど
金融機関は名義人の死亡を確認すると、相続財産を守るために口座を凍結します。
銀行口座が凍結されると、現金の引き出しだけではなく、公共料金やクレジットカードなど口座振替の引き落としもできなくなります。
それ以外にも何かの利用料が銀行引き落としに設定されていた場合、クレジットカードと同様に未払いの状態となってしまうのです。
家族の知らない契約の場合、契約書などで確認ができなければ、解約の手続きが完了するまでに時間や手間がかかることになります。
家族でも把握できない?サブスク問題の対処法とは

一緒に生活をしていても、家族がお互いのすべてを把握することは非常に困難です。
離れて暮らしている場合はなおさら見えにくくなることは想像に難くありません。
残された家族に迷惑をかけないために、サブスク終活ではどのようなことを行うべきなのでしょうか?
情報の共有を行う
サブスク終活で重要なことは、家族に情報を共有することです。
サブスクの契約先は、契約者が死亡したという事実を知る術がないので、届け出がない限り請求は継続してしまいます。
家族と離れて暮らしている場合には、契約を継続しているサービスをエンディングノートに記載しておくことがおすすめです。
を洗い出して、すべて記載しておきましょう。
注意したいのがスマホのアプリです。
見落としがちになりますが、スマホのアプリについても自動更新の設定などがないか、きちんと確認してください。
サブスクに登録するクレジットカードを限定する
必要なサブスクがあって解約ができない場合は、支払い方法に登録するクレジットカードを1つに限定しておきましょう。
万が一のことがあった場合でも、支払い方法が1つに限定されていれば解約の手続きも煩雑にならずにすみます。
クレジットカードの引き落としをする銀行口座も1つにしておくことで、自分で管理する上でもわかりやすくなるはずです。
不要なサービスは事前に解約・退会手続きを
サブスク終活では、不要なサービスを整理し、事前に解約・退会手続きをしておくことも重要です。
サブスクにはさまざまな種類があります。
車のサブスクなどは契約している物が目に見えるためわかりやすいですが、音楽配信・動画・学習系などのサービスは周囲からはわかりづらいのが特徴です。
自分が必要としているもの以外は契約を見直し、不要であると判断した場合は早めに解約・退会手続きを行っておきましょう。
サブスク終活は現代社会において必要不可欠

サブスクは生活を便利で快適にするものですが、自然と使わなくなったもの・思ったより必要ではなかったものなども必ず出てきます。
サブスク終活では残しておきたいサブスクを厳選し、最後まで利用するものはエンディングノートに解約方法などを記入しておきましょう。
サブスクは本人の解約は簡単にできても、遺族が行うとなると非常に手間と時間がかかります。
現代社会においては、サブスク終活は必要不可欠なものとなっていると理解しておきましょう。
